精福「精神保健福祉相談援助の基盤」②

2016年10月18日

相談援助の概念と範囲

◆ソーシャルワークのグローバル定義

国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)によるソーシャルワークの2000年グローバル定義

「ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーング)の増進を目指して、社会の 変革を進め人間観における問題解決を図り、人びとのエンパワメントと解放を促してい く。ソーシャルワークは、人間の行動と社会のシステムに関する理論を利用して、人びと がその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理は、ソーシャルワ ークの拠り所とする基盤である。」


国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)と国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)によるソーシャルワークの2014年グローバル定義

「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々の エンパ ワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。 社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの 中核をなす。 ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および地域・民族固有の知を基盤として、 ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざま な構造に働きかける。 この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい。 」


◆ソーシャルワークの形成過程


リッチモンド「社会診断」「ソーシャルケースワークとは何か」

リッチモンドは、ソーシャルケースワークとは「人間と社会環境との間を個別に意識的に調整することを通してパーソナリティを発達させる諸過程から成り立っている」としました。


ホリスは、「状況の中にある人」という概念を用い、環境と人(心理的な側面、社会的な側面)との相互作用を重要視しました。


パールマンは、診断派の立場に立ちつつ機能派の理論を取り入れた「問題解決アプローチ」を体系化しました。

ケースワークに必要な要素として4つのP(人、問題、場、過程)を挙げ、後に6つのP(+専門家、制度)としました。


エンパワメントアプローチ ソロモン

ナラティブアプローチ  マーゴリン

ストレングスアプローチ サリービー


◆セツルメント運動

セツルメントは、1870年代にイギリスのトインビーにより、労働者の貧困問題に対し制度や環境整備から始まりました。

1884年、ロンドンでトインビーホールが、1886年にニューヨークでネイバーフッドギルドが、1889年にシカゴでアダムズらによりハル・ハウスが設立されました。

日本では、1891年にアダムス(Adams,A.P.)が岡山博愛会を開設し、1897年に片山潜がキングスレー館を開設しました。


◆コミュニティケアに関する報告書 イギリス

1968年 シーボーム報告 これを受け「地方自治体社会サービス法」が成立

1982年 バークレイ報告 カウンセリングとソーシャルプランニングの統合・介入 コミュニティ・ソーシャルワークの実践を提示

1988年 グリフィス報告 コミュニティケアの目的は、在宅ケアにある



精福「精神保健福祉相談援助の基盤」③へ続きます。

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