精福「精神疾患とその治療」②

2016年10月10日

代表的な疾患

◆気分障害・・・うつ病、双極性感情障害

躁状態:易刺激的、観念奔走、誇大的思考、逸脱行為

うつ状態:思考停止、自責的傾向、希死念慮、早朝覚醒、食欲低下


◆神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害

恐怖性不安障害(広場恐怖、社会恐怖)、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害、解離性障害、転換性障害、心気障害、身体表現性障害、神経衰弱、離人・現実感喪失症候群


◆生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群

神経性無食欲症、神経性大食症、ナルコレプシー、睡眠障害


◆成人のパーソナリティ及び行動の障害

妄想性パーソナリティ障害:不信感、疑い深い

統合失調質パーソナリティ障害:感情の平板さ、無関心、孤立

境界性パーソナリティ障害:情緒不安定、行動上の激しさ

反社会性パーソナリティ障害、非社会性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害、不安性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害


◆精神遅滞(知的障害)

知的障害の診断:①IQが70未満、②年齢に比べて低い社会的能力とそれによる不適応、③18歳未満の発達期に現れる知的障害

原因:染色体異常(ダウン症候群)、先天性代謝異常(フェニルケトン尿症)、先天性内分泌異常(クレチン病)、神経皮膚症候群(結節性硬化症)、周産期の異常、出産時の異常、出産後の疾病

小児自閉症は、3歳までに現れます。男児が女児の3~4倍で現れます。


◆小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害

ADHD、行為障害、選択性緘黙、チック症


精神疾患の治療

◆精神科薬物療法

抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬、精神刺激薬、抗てんかん薬、抗認知症薬


抗精神病薬は、主に統合失調症の治療に使われます。定型抗精神病薬と非定型精神病薬に分けられます。

定型抗精神病薬陽性症状を改善。陰性症状には効果が乏しい。

抗精神病薬の副作用錐体外路症状(パーキンソン症候群、急性ジストニア、アカシジア)や高プラクチン血症、自律神経症状など


抗うつ薬には、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、NaSSaなどがあります。

副作用として、抗コリン作用、セロトニン症候群、セロトニン再取り込み阻害作用があります。

SSRI、SNRIは副作用が少ないと言われています。


抗不安薬には、主にベンゾジアゼピン誘導体が用いられます。副作用は、眠気、ふらつき、長期服用による離脱症状として痙攣やせん妄があります。


抗てんかん薬には、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、バルプロ酸ナトリウムなどがあります。


◆電気けいれん療法 統合失調症や躁うつ病の治療に用いられます。副作用として、頭痛や吐き気、一時的な記憶障害などがあります。


◆精神療法 支持的精神療法、洞察的精神療法、表現的精神療法、訓練的精神療法など

洞察的精神療法・・・患者が自身の病気やその背景について理解を深め、人格の構造的変化にともない問題解決を図ろうとする方法(例:フロイトの精神分析療法、自由連想法、来談者中心療法)。


表現的精神療法・・・モレノの心理劇(サイコドラマ)、遊戯療法(プレイセラピー)、箱庭療法


訓練的療法・・・学習理論を背景としている。行動療法、系統的脱感作療法、認知行動療法、森田療法、内観療法、自律訓練法


精福「精神疾患とその治療」③へ続きます。

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